アイスリボン応援サイト・アイスリボン ファイルズ



我闘姑娘シーズン2 「プロレス少女たちの野望Vol.3」
第2話 感慨と不安


希月は挨拶同様、元気に走ってリングイン。
その嬉しそうな顔は、見ている方まで嬉しい気持ちにさせてくれる。
深々と頭を下げてさくらと握手。



試合はロックアップで始まった。







ボディスラムを先に仕掛けたのは希月。
1度、2度。
だが、どちらも奇麗に投げきるというわけにはいかなかった。
相手を完全に上げ切れないボディスラム。










こうやるんだよ!
とばかりにさくらがボディスラム。

さすがに希月のそれと比べ、腰の入り方が違う。










そして、試合はさくらがブログで宣言していた通りの展開を迎える。
一点集中攻撃。

それも生半可ではない、徹底したものだった。



腰。










腰。










腰。


攻撃の場所が膝でないところがさくららしいな、と思う。
「相手の弱点を攻めるのがプロレスのセオリー」。
よく言われる言葉だけれど、相手を壊す為に試合をしているわけでは
ないのだし、さくらが膝を選ばなかった事は、自分にとっては実に納得
のいく攻め方だった。





そして、希月がこれらの攻撃で、以降ずっと腰に手をあてながらの攻防
を強いられた事でも分かるように、それは十二分に厳しい攻めだった。












希月は完全にペースダウン。
必死で前に出てエルボーを繰り出すも、力が全く感じられない。

その後放ったドロップキック。
石井とのシングルで酷評されていただけに注目していたのだが・・・
全ての動きの基本となる腰にダメージを受けているだけに、厳しかった。

精一杯のドロップキックだった事は充分に伝わった。
ただ、それで終わっちゃ駄目だ。
技術で魅了してこそ、プロなんだから。




さくらの腰攻めが続く。
その痛みに加え、希月はスタミナまでも奪われてしまったようだ。
もう手を出してはいても、「攻撃」とは呼べないような弱々しさ。


一点集中の過酷な攻めゆえ、というのはもちろんある。
だが、それを差し引いても、この試合の希月はこちら側の期待値を
下回っていた。

そして他の選手には、さくらのこういう攻め方を学んで欲しいとも思う。
説得力が全然違ってくるから、プロレスに。



フィニッシュはミサイルキック。

デビュー前、なつみの引退試合の相手に指名された時に、
「なつみさんの技は1つも受けれません」と言って対戦を辞退したという
エピソードが希月にはあった。

あれから、一年が過ぎて。

そうか・・・
ミサイルキックを受けるまでのところに来たんだな。
そんな感慨に一瞬浸りながら、カウント3を聞いた。



惨敗と言って過言ではない負け。
果たしてこの状態でメインは大丈夫なのだろうか?
感慨の直後に押し寄せてくる、不安・・・






平成組vs昭和組はまず昭和組が先制、
第2ラウンドを迎える。



    1.シングルマッチ20分1本勝負
     ○さくらえみ(10分17秒、ミサイルキック)希月あおい×




[BACK]