いよいよメイン。
共に平成生まれ、シングルのメインも初めてというフレッシュな一戦。
おそらく、プレッシャーの度合いは希月の方が上だろう。
心境やいかに・・・
先制したのは高橋。ドロップキックの3連打だ。
ボディスラムを放ったあと、場内にアピール。
この辺りには高橋の余裕を感じる。
希月の足を折りたたんでフック、弓矢固めへ。
希月はエルボーで反撃したあと、ボディスラムの4連発。
いい表情だ。
続いて逆エビへ。
腰をどっしりと落とされ、高橋は苦悶の表情。
一歩一歩前に這い、ロープブレイク。
スタンドになると希月は高橋の左手首を取った。
こういう細かい技のつなぎを出せるようになったところに、
確かな成長の跡が見える。
串刺しエルボー・ランニングボディアタックを経て
繰り出した技は、意外なものだった。
ジャイアントバックブリーカー!!
馬場さん信者の自分としては嬉しすぎ。
そのままグラウンドの体勢へ移行、
肩の辺りを固めていく。
こういう展開になるといつも同じような事を書いて恐縮だが、好みだ。
大技のプロレスもいいが、こういう地味な技だってそれ以上に大切。
希月にとって痛かったのは、旋回式ダイブをかわされた事。
押され気味だった高橋だったが、思っている以上に余力があったようだ。
高橋は倒れている希月にヒップドロップを落とすと、
コーナーに上る。
アピール後に放ったのは、ダイビングヒップドロップ。
希月はこれをクリアするも、
逆エビに捕まってしまう。
力感溢れる攻撃。
これもロープに逃れて反撃した希月だったが、
サソリ固めから逃れる事はできなかった。
希月が左手でマットを叩く。
2度目のシングルも高橋の勝利となった。
おそらく、これが興行前半の試合であれば満足していたと思う。
ちょうど1年前の試合からは格段の進歩を遂げているし、
よくやった!と素直に褒め称えていたはずだ。
今回はメイン、興行を締めなければいけない立場。この観点から
試合を見ると、物足りなさが残ったと言わざるを得ない。
ただ、時期尚早だとは少しも思わない。
肩書きや環境の変化といったものが、人を育てる事がある。
「メイン」。
二人にとってはまだ重すぎた肩書きだったのかもしれないが、
任せてみるという姿勢は人を育てる上ではとても大切な事。
今はまだ、自分たちの力不足を感じていればいいと思う。
課題を咀嚼して次に繋げていきさえすれば、最初は過分に思えた
肩書きも、いつしか自然と似合うようになっていくものなのだから。
全試合終了。
いよいよ夏樹とも、これが最後の我闘姑娘。
メインイベンターの二人は、
最後までリングに残った。
餞のピンクの紙テープが夏樹に舞う中、
二人はロープを開けた。
夏樹を送り出したあと、
二人で一礼した。
|