10年のあゆみ・元川恵美編 その18 | 2002年12月12日、後楽園ホール 京子・元川 vs アジャ・ASARI |
元川恵美の歴史は、二人の敵との戦いの歴史でした。 一人は向かい合うレスラーであり、もう一人は突然忍び寄る怪我。 目に見えない敵は、いい試合が続いて上昇気流に乗れそうだ、という タイミングでいつもやってきました。 1999年12月12日、プランチャで右肘脱臼、靭帯損傷。 場内の凍りついた雰囲気を、今でも鮮明に覚えています。 あの日はFMW主催の忘年会があった日。 「元川の具合はどうなんですか!?」 会を始めようとしてグラスを持った荒井さんを制して聞いたっけ。 2001年8月24日、急角度のパワーボムを受けて首を負傷、手術。 このときばかりはもうだめだと思いました。 でも、やっぱり元川自身は諦めていませんでした。 2002年12月12日、WMFのマットが、オレンジ色に染まりました。 なぜこんなに頑張れるんだろう。 なぜリングに上がり続けるんだろう。 10年続いた理由を「やめなかったから」と語ったさくらえみ。 シンプルな言葉です。 じゃあ、なぜやめなかったの? こう問うたとしたら、 「好きだから」 という、やっぱりシンプルな言葉がきっと返ってくるのでしょう。 アジャの垂直落下式ブレンバスターに沈んだ元川。 でも今日は、一言しか言いません。 大好きなリングに、おかえり。 |