えみりんぼ   その2

鉄拳プロデュース (後編)
2003年11月20日、後楽園ホール
 vs 大向美智子
戦況は一変、場外戦へ。そして、我々はプロレス史上
例を見ない、夢の対決を目撃する事になる。それは・・・
イス vs スケッチブック!!
一体、どちらが強いんだ!?
  
  
  
  
        バコッ!
  
  
イスだった。
さくらピンチ!かと思いきや、テッドはフォールカウントを
取らない。「スケッチブックの上に乗っている場合は、
攻撃してはいけません。」 鉄拳コミッショナーから発表
されたルールを遵守した、厳格なレフェリングだ。
もちろん、適用されるのは大向に対してのみ。
さくらが上なら話は別だ。
テッド、力感溢れるカウント!しかも早い!
それにしても、さくらの足はちゃんと乗っかって
いたのだろうか?拡大してみる。
微妙だ。
逆エビ地獄に捕まったさくらに向かい、鉄拳はマジックペンを
転がした。スケッチブックには、色なしのドラえもん。
「さあ、ペンを取れ!そして、塗るのだ!」
と・・・いうことでいいのだろうか?
2度目のトライで見事、くきくきくきとドラえもんに色を入れたさくら。
よくやった!とばかりに鉄拳が掲げる。    
塗ったらどーした、と2人以外の誰もが思った次の瞬間・・・ 
元気回復!!
塗り終えた瞬間に生気を取り戻し、反撃に転じるさくら。
スケッチブックを巧みに使い、大向をぼこっていく。
ぬり絵、恐るべし!
ミサイルキック!
そして、待ち望んでいた波状攻撃が放たれた。
ラマヒ!
    
ラマヒ!!
    
惜しい!!
    
もひとつ!!!
    
シャイニングウィザードをかわすと・・・
    
バックスライド!
    
にゃんにゃん!
    
しかし、とどめを狙ったムーンサルトwithスケッチブック
は、かわされて自爆に終わってしまう。
(このままではやばい・・・)遂に、大向が凶行に走った。
未公認(大向だけ)の凶器を使っての一振。
そのなりふりかまわぬ様は、まさに”エゴイスト”だ。
怒涛のような攻撃をなんとか凌いでいたさくらも、
2度目のシャイニング弾はかわせなかった。  
鉄拳から投入された、スケッチブックには・・・  
テッドはゴングを要請。
プロレス史上に残る裁定で、この戦いの幕は下りた。
× さくらえみ(10分55秒、スケッチブックストップ)大向 美智子 ○
 
 
 
さくらは何も発さずに、へろへろ状態で引き上げていった。
一人リングに残った鉄拳が、今後の改造計画の一端を明かしていく。
ビジュアル、試合形式、必殺技。
そう・・・
さくらえみと鉄拳の野望は、まだ始まったばかりなのだ。(つづく)

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