BeFree!Yellow…Only One Time For Wacky.


12月16日。ここまで、あっという間だった。
川崎市体育館に着くと、もともと狭いロビーが人で溢れかえっている。
たまらずそのまま2階へ。
凄く印象的だったのは、客席よりも最上段。
そこは立ち見の客でズラリと覆われていた。
実に久しぶりに買った前売券。席番を辿ると・・・おお、ほぼ中央、リング
が一直線だ!
階下では、黄色いトレーナーを着た何人もの男女が黄色い紙テープを
配っている。二階の南側では「卒業証書」という、わっきー宛のメッセージ
が書かれたでっかい横断幕。あまりに大きすぎて、どこに張ればいいものか
苦労しているようだ。


入場式とアテナ表彰式が始まった。
中西の試合がベストタッグ賞に決まるや、わっきーはバンザイ!と両手を掲げた。
...また撮り損ね(笑)。脇澤美穂は”瞬時”だ。えっと思ったときには実に絵に
なることをしでかしてしまっている。だからいつも、撮り損ねる。





時は来た。
第3試合、納見佳容vs脇澤美穂。
コールは氏家さんだ。



最後の試合、最後のミホカヨ対決は握手で始まった。



開始早々場外に飛んだわっきー、中に戻ると「よっしゃ回すぞー!」



序盤のペースを握ったわっきー。元気にアピール。



納見はキャメルクラッチ狙い。
わっきーは両手をばったりと地に付け、イヤイヤと抵抗していく。



でもキャメルに(^_^;
こんな応酬が2度ほど続いた。



コーナーに上ったわっきー、追いついて投げんとする納見、
当然わっきーはここでもイヤイヤだ。



試合が進むにつれ、少しずつ納見が優位に立っていく。
わっきーの顔にも苦痛の色が・・・



それでも、3つは許さない。
必死のブリッジだ。




納見は起き上がりこぼし式のダブルリストアームサルト、
それでも決まらない。
するとわっきーの片足を抱え、持ち上げた。
一瞬、両者の体が止まる。
フィッシャーマンズ・バスター!
わっきーが得意としていたこの技を見て、終わりを感じた。



直感通りに、引退試合は幕を閉じた。
勝った納見はいったん仰向けの状態で顔を覆った後、
わっきーに寄り添った。



よろよろと赤コーナーに戻るわっきー。
頭を抱え、そして顔を覆った。





引退セレモニーが始まる。
塩野さんのナレーションの後、マスコミ関係者がリングに上がり、
花束やパネルを渡していく。その一人一人を抱きしめるわっきー。
そして選手達。
飛翔天女がリングに上がった。豊田真奈美。

  「お姉さんみたい」

数日前のSアリーナで、わっきーはそう言い表していた。
本当に、姉妹だったよなあ。
何度も仲良くケンカしたよね。



そして、姉も泣いていた。



ブラックジョーカーは、実に”らしい”祝福。
素直に花束贈呈かと思いきや、じりじりと歩みを止めずに
わっきーを包囲(^_^;



この後、風間と貴子のアシストを受けてコーナーから
飛んだ。わっきー、イーグルをピン!



最後に納見を受け止める。
今度はわっきーがお姉さんのように見えた。



ラストメッセージ。あれだけ「泣きません!」と言い張ってた
わっきーは、やっぱりぐしゃぐしゃに泣いた。



テンカウント。



終了と同時に、降り注がれる紙テープ。



黄色い海原の中、顔を上げたわっきー。
上を向いて歩こう...そんなフレーズが頭をよぎった。





もう何人ものレスラーの引退セレモニーを見てきた。
そして、今日ほど「笑って!」の声が飛ぶセレモニーは初めてだった。
”わっきーは笑顔”なんだな、って改めて思う。



脇澤美穂を振り返ると、一番最初の印象は”めそめそ”だった。
全女崩壊と言われた、選手大量脱退の頃だ。
あくまで前向きな中西とは対照的な脇澤の発言。
それはすごく心細いものだったし、写真にしてもうつむいているもの
ばっかり載っていたようなイメージがある。
だからあの頃は、すぐに辞めちゃうだろうと思っていたのだ。
まさかこれほど大きい存在になろうとは、思ってもいなかった。

本当に、こちらまで嬉しくなってくる笑顔の選手だったなあ。
そして、いつだって懸命だった。必死だった。
ある時は微笑ましく、ある時は感動的に。
いつだってダイレクトに伝わってきた。



本当にお疲れさまでした。
そしてありがとう、わっきー!!!