新・武道館物語
BUDOKAN STORY
Vol.27

PRO-WRESTLING NOAH   July 27th,2001(Fri.)
Accomplish Our First Navigation 


久しぶりだ。あれからここには何回か足を運んではいるけれど、九段下の坂を
上っていくときに感じるわくわくが久しぶり。
充分時間に余裕はあるのに、どうしても足早になってしまう感覚も久しぶり。
まずはテントへ。パンフレットとCDを購入。NOAHのパンフを買うの、実は初めて。
普段はこういうの買わないヒトだしね。まあそれだけ今日は特別の日ということで。
今日昼前に外出していったん帰宅する頃、急に日差しが強くなった。
今日も結局めちゃ暑になるのかなあ?思いっきり軽装に着替えて家を出た。
九段下・・・なんか、寒いな(^_^;
念のため着込み用としてNO FEAR Tシャツこうにう(^_^;
気になる人出だが、なかなか良さそうだ。


会場内へ。いつものように時計台の横の階段を上る・・・ じゃないや、今日は1階席じゃんかよ(^_^;ついつい、いつもの癖が出てしまったな。 自分の席を探して腰掛け、リングを眺める。 2方向に伸びた赤と青の花道の赤側近く、なかなかいい席だ。

場内暗転,、三沢の声が流れる。 2000年8月5日、旗上げの時のリング上での挨拶だ。 話の節々で場内から拍手が沸き起こる。いい雰囲気。 さあ、始まりだ!

第1試合
 杉浦貴 浅子覚 
      vs
 橋誠 志賀賢太郎 
今日最初の大歓声を呼び込んだのは杉浦のスピアー。
やっぱりモノが違うね。
橋相手に強烈なジャーマン。と思ったらクラッチを離さずに一回転、続けざまに
ジャーマンを放っていった。
ローリングジャーマン!カウント3、説得力ありすぎのフィニッシュに場内
早くも爆発。


志賀、記念すべき大会は第1試合だった。この事実をきちんと受けとめて欲しい。 あと、浅子。人気だが、それはあくまでリーダー人気。 ファイトぶりは変わってはいないし、見る側の照れを誘発させるのもNO FEAR 加入以来、何も変わっていない。めちゃくちゃ面白いけど(^_^;
○杉浦(6分4秒、ジャーマンSH)橋×



第2試合
 青柳政司 永源遥 
        vs
 百田光雄 ラッシャー木村 
百田がリング下に落ちた。
とてててと小走りにコーナーに上る永源、おぉ〜っ!?とどよめく場内。
飛ばないってのはみんなわかってるのにどよめく。こういうの大好き。
これってふざけてどよめいみせているのではなくって、ひょっとして!って思いながら
どよめいてるんだよね。一方では飛ぶわけないやんっていう意識もしっかり
とあることはあるのだけど(^_^;
試合は永源が百田を華麗な回転エビでピン。

永源。ディファで見るときはさほど感じなかったけど、あらためて花道花道した
ところをしかもほぼ真横から歩いているのを見ると・・・・

    似合わないねえ(^_^;
ラッシャーのマイク。 プロレスリング・NOAHは本日、無事1周年を迎えることができました。 これもひとえに、皆様方の暖かい御声援のおかげと深く感謝しております。 これからもよろしくお願いします。本日はありがとうございました。(大意)
○永源(5分26秒、回転エビ固め)百田×



第3試合
 スーパースター・スティーブ スコーピオ 
       vs
 KENTA 丸藤正道
今日は10試合もあるということで、そこかしこで工夫が見られた。
試合と試合の合間に間を置かないのはもちろん、リングアナのコールも選手の
リングインと同時だ。レスリング・サミットを思い出すなあ。
さらに短縮されていたのは、スコーピオのダンス(笑)。
いつものクルクル回転にいく前の床ステップ(この表現でわかるかな?)が省略されている。

すごく印象的だったのが丸藤の入場。
冒頭に書いていたように赤コーナー側の花道に近かったので、逆に選手の出てくる
瞬間は見れなかった。他の選手とは明らかに異なる、2・3ステップは上を行った歓声。
ん?大舞台用にハデハデで来たのかな?
そう思いながら視界に入るのを待った。確かにニューコスチチュームだったら
しいが、さほど変わったわけではない。仮面をつけての入場はいつものことだし。


要するに、丸藤自身のステータスがかくも大きくなっていたってことなんだね。 今の丸藤なら当たり前・・・・でも、考えてみたらほんの1年ちょい前の頃の 丸藤の武道館って、今とは全く違ってたものなあ。 これってやっぱり、ものすごいスピードなんだと思うよ。 KENTA。小林健太から改名してはじめて見るKENTA。 ちょっと残念だ。別に今風になるのはいいんだよ、社風だし(^o^)。 残念というのは「小林」なのに「ケンタ!」と声が掛かるところが 良かったと思うんだよ。前に少し触れたことがあったけど、 「小林健太とは下の名前で呼びたい選手である」 そう、いわゆるおねえさんが教えて あ・げ・る(はあと)ってやつねf(^_^; そのKENTA、序盤にスピンキックがもろに入って倒れた。脳震盪のようだ。 タッチ後にはリング下に降り、片膝をついてエプロンに肘を付ける格好。 「なんかKENTA、カメラマン状態になってるぞ」 隣に座っているあんちゃんが横の連れに語りかけている。うまいこと言うね。 それにしても大丈夫か、KENTA? スーパースター・スティーブ、愛称はスパー(俺命名)。 手元のメモを後で見ると、   おおげさなアクションをつけてのスリーパー ◎ と書いていた(^_^; ノータッチトペコン、首かっきりポーズにダイビングヘッド。 カットに入ってそそくさとコーナーに戻るさまも見てておかしい。 みょうな愛敬を感じてしまう。 「面白いぞスーパースター!」隣のあんちゃんが叫んだ。 でね、今日のワースト選手がスコーピオだった。 KENTAがああいう状態になって、いったんエプロンに戻っても また下に降りてということを繰り返している中、ローンバトルで 疲弊した丸藤に代わり、ようやくタッチして出ていくKENTA。 あれは半ば本能で戦っていたのではないかと思う。 それをスコーピオ、何にも考えないような戦い方だった。 後頭部への連続した攻め。さらにはスパーに指示してからのダブル空中弾。 そこまでやらなくっても取れるんだから考えてくれよ。 どうみたってKENTAは普通の状態じゃなかったんだから。 それでも何度もキックアウトしていくKENATA。 もういいから、寝ててくれよ! そう思いながら見ていた。 勝負を決したのはスコーピオのスプラッシュ。 試合後、握手を求めるスコーピオに丸藤がトラースキック。 華のある”技”だけど、あれは本当に今日の思慮の足りないスコーピオ に対する怒りがあったのだと思う。 KENTA。いずれジュニアの中心選手となる素材であるのは間違いない。 ただ、ケガだけには気を付けて・・・
×スコーピオ(14分06秒、スコーピオスプラッシュ)KENTA×



第4試合
 菊地毅 vs 斎藤彰俊 
いい試合だった。何がいいかってそれは両者の表情。
むきだしの気迫、遠慮なしにガンガンと打ち込み合う打撃。


こいつだったらとことんやりあえる! ノーガードの激しい攻防の中、互いが互いを認め合っているのが 見えたような気がして、心地よかった。
×菊地(7分42秒、スイクルデス)斎藤○



第5試合
 井上雅央 本田多聞 
        vs
 佐野巧真 池田大輔
昭島の開幕戦で仲間割れしたのを受けての遺恨試合。
さあ、果たして・・・・
とはいってもこの試合、入場時の雰囲気はほんわかムード。
主役は!もちろん!雅央!!新婚の!!!(^o^)


     ・・・ちっ(自爆)


おめでとー!という声があちこちから飛んでいる。
雅央はにやにや顔。でも普段からにやにや顔だから
違いは感じられないのだが(^_^;

剣を花道で振り回してからリングに入った池田、つかつかと本田に歩み寄って
ぷーっ!いつもはリング中央で空中に噴き上げる水を本田の顔面に向かって
噴きつけた。ここでゴング。
多聞のやる気は尋常でない。マウントを取り、池田を激しく殴打していく。
かと思えば雅央とダブルのフライング・クロスチョップを繰り出していくあたりが
なんともステキだ(^-^)
漂う多聞圧勝の予感、しかし。
デッドエンドを堪えた池田、絡まった。三角締め。


抵抗する動きが止まった。ゴング。 大ちゃん、今日は「イナズマ!」がなかった。意識的なのかどうかは分からない。 たぶんそうなのだろうなあと思っているけど。うん、さっきのスコーピオの話じゃ ないけど、シチュエーションは考えていって欲しいな。 やるべきではない試合、やっていい試合。気を抜けない場面、ここでなら 大丈夫だという展開。色々とね。これからどんどん上がっていかなくちゃならいけないんだから。 大ちゃんみたいな男って好きなんだよ。 全日本参戦時に週プロでやってた旅日記。人柄が滲み出ている文章だった。 シンパシーを感じるな。一緒に酒を汲み交わしてみたい奴。 期待してるぞ!
×本田(4分1秒、三角絞め)池田○



第6試合
 ブル・シュミット ベイダー 
      vs
 泉田純 田上明 
ふう。確かにベイダーはとてつもないけどさ、情けなさすぎ。
泉田と田上のことだよ。
潜在能力あるのが分かっているだけに歯がゆい。
問題なのは、潜在してていい時間なんてないでしょ、ってこと。
田上はもちろん、泉田だってね。
田上、休火中なのはわかるし(^_^;まあ許してしまうのだけれど、
いくらなんでももうちっとはねえ。

んで、シュミットのポーズ。これって何を表しているんですかね?



○ベイダー(3分49秒、ベイダーハンマー)泉田×



第7試合
 マイケル・モデスト vs 小川良成 

もですー

しまったなあ。モデストの事だよ。コールは「モデスト」ではなく「もです」。
モデストコールが沸き起こる前に自ら叫んでグローバル・スタンダードを確立する
べきだったよ。これから先はずっとモデストコールなんだろうなあ・・・ちと残念。
あまりに、想像以上に嬉しすぎた昭島でのもです。
武道館という最大級の会場でもきっとやってくれるはずだ。楽しみー!
赤側から小川入場。グラサン。カッコいい!いやあ、これは無条件でカッコ良かった。

腕の取り合い。いつものように劣勢をするすると切り抜けていく小川。
もですはジョニー・マジックのような技、痛めている個所を攻めに掛かる。
大きいテーピングをしているためにTシャツを着ていた小川のシャツもテーピングも
剥がしていくもです。いいねえ、心得てるね。
さらにはコーナーへスルーすると見せかけて離さず、ぐっと腕を引っ張っていく。
おお!昔ピート・ロバーツがやっていたんだよなあ。ホールでマイティ相手にやった
のを見たぞ。
ロープに走る。戻ってエルボー。しかし、走った意味がまるで無いかように減速してから
見舞うエルボーだ。
もう1度。やはりおんなじ動きだ。

ニターリ

親指を突き立てて微笑んだ、もです。ああ、小馬鹿にするための減速だったのか!(^o^)
この親指ニターリ、よっぽど気に入ってうるのか試合のツボツボで披露していた。


あまりに嬉しすぎて記憶が飛んでいるのだけど、何だかもの凄い怒りの表情で 吠えた直後に一拍の間を置いて、 ニターリwith親指 これにはもう死ぬほど笑った。 あとはね、

こんなポーズとか。もうメロメロ!(>o<) コーナー上の小川に向かって突進、自らを倒立させてのフランケン。 かっちょわるい延髄ラリアット。 コーナーポストに向かって猪突激突。 「すごいんだか何だか・・・何なんだろこの人」 横のあんちゃんがそうこぼしている。そう、それがもです。 小川を倒し、すぐにカバーに行けばいいものをそこで くるっくるっくるっく (”る”は素早く巻き舌で・・・ひらがな表記に変えました^^;) と舞ってからカバー。小川はこのロスタイムを利用、すでに片足をロープに 掛けていて即ブレイク(^_^; 「ばかだなあこいつ」 横のあんちゃんが嘆息する。そう、それがもです。 かと思えば雪崩式のフィッシャーマンズスープレックスにいってそのまま ブリッジで固めるとか、信じられない凄技も繰り出したりする。
「変な試合−」 横のあんちゃんがつぶやく。そう、それがもです。 「すごい」  「何」 「ばか」 「変」 もですを解くためのキーワードを全て示してみせたあんちゃん、あなたは正しい。 すばらしいっ! やはりだった。武道館までも虜にしてしまったもです。 劣勢時にはモデスト・コールだ。 ・・・ここでようやく、冒頭のコールの話につながっていくワケです。 時間かかったな(^_^; 最後は小川の切り返しに敗れたものの、今日のもですは昭島から更にとてつもなく 巨大化した存在となった。 試合後もモデスト・コール起きてたしね。 次回はぜひ叫んでね。 もーでーすー!もーでーすー!
×モデスト(13分09秒、エビ固め)小川○
(TO BE CONTINUED...)
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